ナンパ・・・44氏


夏は女の子も開放的になるのよっ!ていう思い出。

高校生最後の夏休み、やることもなく家でごろごろしていた。
「プルルル、プルルル…」
僕 『もしもしー。』
竹下『もしもし。○ちゃん?竹下だけど。今年も海行こう!!』
竹下は僕のことをちゃん付けで呼ぶ。
僕 『えぇ、突然だなぁ。誰か女の子も行くの?』
竹下『馬鹿か!ナンパしにいくのに、女誘うわけないだろ!』
竹下は男の僕から見ても、かなりの男前だ。
でも、しゃべると馬鹿っぽい。なかなか陽気なやつだ。
僕 『ナンパぁ?お前といったらイイとこ全部持っていくじゃん。』
竹下『そんなことないって!一夏のアドバンチュールだよ!行こう○ちゃん!!』
アバンチュールだろ。
僕 『あぁ、行く行く。』
竹下『夜は俺のばーちゃん家に泊まればいいから!』
泊まりで行くのか。はぁ。

それでも、高校生最後の夏、少しわくわくした

そして、海。

竹下「おい、○ちゃん!海だ!!」
見たらわかるって、はしゃぐなよ。
僕 「…さて、ナンパしますか?」
僕も嫌いじゃない。ビーチは女の子でいっぱいだ!!か〜わいい!!
僕 「どど、どの子にする?みんなかわいく見えるな!」
竹下「よし!手当たりしだいだ!!行くぞぉぉ!!」


……

竹下「…おい。全然ダメじゃないか。」
僕 「俺のせいにするなよ。」
お前がしゃべるからダメなんだよ。黙っとけば男前なのに。

僕らはいったん引き上げ、作戦を立てることにした。

そして、日が少し傾きかけてきた頃、再びビーチへやって来た。
もう泳いでいる人はまばらだが、ビーチにはまだ人影があった。
竹下「見ろ○ちゃん!この時間にいる女は、みんなナンパ待ちだ!」
僕 「ホントかよ。」

竹下「あの子達にしよう!」
僕らは、ビーチを2人組で歩いている子達に的を絞った。
ちょうど年も僕らくらいのようだ。
竹下「よし!じゃあ、さっき考えた作戦でいこう!!」
僕 「えぇ〜、あれやるの?まじで?」

僕らは彼女たちの進行方向に、先回りした。
すぐ近くまで彼女たちがやってきた。
竹下「よし!作戦決行!!」
僕 「へ〜い。」

竹下「うわぁぁぁん!」
僕 「えーーーん。」
僕らはそこら辺の畑でむしって来た花を、波うち際にたむけながら
わざとらしく泣き真似をした。
竹下「帰ってきてくれよぉ〜!斎藤!!うわぁ〜ん!」
さ、斎藤って誰だよ。
女の子2人は面食らって立ち止まった。
すかさず僕は2人に声を掛けた。
僕 「ごめん、びっくりした。…実は去年、僕らの友達がこの海で…。」
ドボドボドボッ!
竹下「ほら、斎藤。お前の好きだった「なっちゃん」だぞ。飲め。うわぁぁん!」
ば、馬鹿!海を汚すな!
竹下「…君たちも斎藤のために祈ってやってくれないか?」
竹下「ほら。花火もこんなにあるし、ビールだってあるぞ!」

女の子「はははっ!何?ナンパなの?ビックリしたぁ。」
女の子「いいよ!花火しよ!」
おお!成功したのか!?こんな作戦で!?
竹下の意味不明な作戦で、ナンパに成功した。
奇跡だ!

竹下「俺、竹下。こっちは○ちゃん。よろしく!」
千佳「私は千佳だよ。よろしくね!」
早紀「私、早紀。よろしくぅ。」
千佳ちゃんはすらっとした子だ。まあまあかわいい!よし!!
早紀ちゃんは、……かか、かわいくねぇぇぇ!!

千佳ちゃん達は地元の高校生らしい。
竹下は、もちろん千佳ちゃんにマンツーマンだ。
そして僕は、早紀ちゃんの相手。かか、勘弁してくれ!!
これがアバンチュールか!?帰りてぇぇ!!

しばらくして日が暮れてきたので、花火を始めることにした。
千佳「うわぁ!きれーい!」
うん。
早紀「きれーい。」
うるさい。
僕らは楽しく花火を終えた。

竹下「…千佳ちゃん、あっち行ってみようよ?」
ままま、待て!!おいてかないで!!2人きりにしないで!!
千佳「…う〜ん。私、○ちゃんとも話したいな!」
「!!!」
おお!!きたぁぁ!!
早紀「じゃぁ、私が竹下君の相手するぅ。」
竹下「お、おおう。」
早紀「竹下君!あっちの方行ってみよ!」
竹下「え?…あ、あぁぁ?」
やった!!大逆転だ!!ざまぁみろ!!
放心状態の竹下は早紀ちゃんに連れて行かれた。
僕と千佳ちゃんは近くに腰掛けて、話をした。

千佳「あ〜、楽しかった。」
僕 「うん。」
千佳ちゃんはもう一本缶ビールを開けた。
「…」
「…」
なな、何だ?この沈黙は??
千佳「……実はねぇ、私、今日ナンパされに来たんだよ。」
ほう!積極的じゃないか!!
僕 「そーなんだ。何でー?」
「…」
千佳「…私ね、まだシタことないんだぁ。」
ななな、何をいきなり!?酔ってるのか??
僕 「ほ、ほう。」
千佳「…でね、まだっていうのが恥ずかしくって、ナンパされに来たの。」
ななな、何てこった!!ヤヤ、ヤッテもいいって事ですか!?
僕 「そそそ、そーなの!?マジで!?」
千佳「うん…。」
「!!!!」
ちちち、千佳ちゃんが僕の手に触れてきた!!うお!!マジか!?

僕 「ち、ちょちょっと。…いいの?そんな理由で?」
千佳「…うん。」
僕 「竹下じゃなくて、…俺で?」
千佳「…うん。」
うおおぉ!!いただきます!!ここ、これがアバンチュールか!!
僕も千佳ちゃんの手を握り返す。
千佳ちゃんがもたれかかってきた!うお!!
やばいやばい!!外でスルのは初めてだ!!
ドキドキドキドキ
よよ、よし。まずはキスだな!
もう千佳ちゃんは目をつぶっている!!よぉぉし!!

竹下「○ちゃぁぁぁ〜〜〜ん!!!」
「!!!!!」
うわっ!!何だ!!?
竹下が満面の笑みで、走ってきた!馬鹿!タイミングが悪い!!
竹下「○ちゃん!!急げ!!逃げるぞ!!」
はぁ!?何言ってんの!?

竹下は僕の腕を掴んで走り出そうとしている!
僕 「え?あ、ちょ、ちょっと…、えぇ?」
千佳「え、え?どーしたの?」
竹下「早く!!」
えぇぇ!?うそぉ〜ん!!
僕は竹下に引きずられるように連れて行かれた。
ばばば、馬鹿やろう!!何すんだよ!!

僕 「いきなり何すんだよー!!」
竹下「はははっ!あのブサイク、フェラさせてたら調子に乗ってさ。」
竹下「ヤラレそうになったから逃げてきたんだ!はははっ!!」
ばば、馬鹿ヤロウ!!ぼぼ、僕はヤリ損なったよ!!

竹下「楽しいアドバンチュールだったな!!」
僕 「うるせーよ!!ばーか!!」

以上でした。

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