ブラホック外し・・・44氏


高校時代、皆さんも「ブラホック外し」やりましたよね?
そんな思い出。

2年の夏。ものすごい勢いで「ブラホック外し」が流行っていた。
女子の背後にそっと近づき、ブラウスの上からパチッと外す。
僕はそれほど上手くはなかったが、
同じクラスの上田を筆頭に、高山、吉田、大木はかなりの達人だった。

上田「なぁ○○。ちょっと、ある計画があるんだけど。」
僕 「何だ?」
上田「俺らホック外しやってるだろ?」
僕 「やってるね。」
上田「でだ、……。」
おお!!それは面白そうだ!!

上田の計画は、授業中に僕らの仲間たちで一斉に、前に座っている女子の
ホックを外すというものだった。
今で言うところの「同時多発ブラホック外し」だ。
上田「高山たちも誘ってるから、5人でやるぜ!」
僕 「いいね!面白そうじゃん!」

僕ら5人の前には、ちょうど女子が座っている。
そして何より、上田の席の前は美穂だ。美穂はクラスでも人気がある。
たぶんそれで、上田もこの計画を思いついたんだろう。
僕 「いつやる?」
上田「昼休みミーティングするから。集合な。」

昼休み。僕ら5人は人気のない図書室に集合した。
計画を人に聞かれたら面白くない。
上田「よし。じゃあ計画立てようぜ。」
高山「いつやるの?」
吉田「明日でいいじゃん。早い方がいいよ。」
大木「だな。明日だ。」

明日の5時間目、1時半ちょうどに作戦決行!!に決まった。
今からわくわくするなー。僕だけミスったらヤバイなー。
上田「美穂のホック外すの緊張するな〜。」

ガタッ!
「!!」何だ!?誰かいたのか?
全員一斉に振り返ると、本棚の影に誰かがいた。
しまった!誰もいないと思ってたのに!
同じクラスの景山(男)だった。景山は黙って図書室から出て行った。
上田「聞かれたかな?」
僕 「聞かれたかもな。まぁ、あいつだったらいいじゃん。」
景山は学級委員タイプのまじめな奴だ。僕はあんまり話をしたこともなかった。
おとなしい奴だから、大丈夫だろうと思った。

そして翌日。
4時間目は担任の授業だった。
ドキドキして授業に集中できないまま、4時間目は終わろうとしていた。
担任「よーし、ちょっと早いが授業はここまでにして、席替えするぞー!」
「!!!!!」
せせ、席がえ!?待て!それはマズイ!!
突然のアクシデントだった。
上田「せせ、先生!何で突然、席替えするんすか!?」
上田もあせっていた。
担任「いーじゃないか。じゃぁ始めるぞー。」

席替えは強行された。
僕、高山、吉田、大木の4人は何とか女子の後ろの席になった。
しかし、言い出しっぺの上田は、美穂の後ろどころか最前列。最悪の席になっていた。
担任の気まぐれで僕らの計画は狂った。

昼休み。もう時間がない。
僕 「おい、どーすんだよ?」
上田「…。」
おい上田。ホック外しくらいで落ち込みすぎだよ。
上田「…俺は参加できないが、やってくれ!お前らだけでも!」
高山「おお、やるぜ。」
僕 「よし、やるか。」

上田の遺言により、作戦は決行されることになった。

そして5時間目。
時間は刻々と過ぎていった。
ドキドキドキ。僕ら4人は視線を送りあった。
上田はうつむいていた。

いよいよ時間だ!
ドキドキドキドキ。いい、いくぞ!!
静かに前の席の女子の背中に手を伸ばす。いい、いけ!!
「きゃっ!」「やっ」「キャ」「きゃ!」
女子4人のかわいい悲鳴が一斉に聞こえた!!
全員成功だ!やった!!

「きゃっ!!」
何だ!?もう一つ悲鳴が!?
僕が5つ目の悲鳴の方を見ると、美穂が胸のあたりを押さえていた。
な、何だ!?どーしたんだ?
ああっ!!!かかか、景山!?
席替えで美穂の後ろの席になっていた景山がこっちを向いて「ニヤリ」と笑った!
おお、お前!!やるじゃないかぁぁ!!やっぱり話、聞いてたのか!!!

うおおぉ!
上田を含む僕ら5人は授業中にも関わらず、
景山の快挙にスタンディングオベーションを送った。

放課後、景山を含む僕ら6人は職員室に呼ばれましたが。

それ以来、景山とは仲良くなりました。おしまいです。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送